一見時代の波に合わないと感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、手紙を使った新規営業活動には他にはないメリットがあります。 これからご紹介する、作成のポイントを抑えて文章を完成させれば、相手の心に響く手紙を完成させられるでしょう。 手紙を新規営業に利用するメリットやすぐに使える例文、作成の際に気を付けたいポイントを解説します。 新規営業DMに添える送り状の例文をご紹介している記事も参考にしてみてください。

新規営業に手紙を利用することで得られるメリットには、次の4つがあります。

  • 開封率が高い
  • 非対面でも関係づくりができる
  • 決裁者の目に留まる可能性がある
  • 商品やサービスを分かりやすく伝えられる

手紙で新規営業を行うメリットを正しく理解しておきましょう。

①開封率が高い

手紙の開封率が高いのを意外だと感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、電子メールと違って形ある手紙は開封率が高くなります。 特に近年は感染症対策の影響もあり、対面して営業できる機会が減りつつあります。そこで新規営業もメールや電話など非対面で行える手法が重要視されるようになりました。 以前よりも増加した営業メールは、件名で内容を推測できるため、開かれずに受信ボックスに溜まってしまう可能性もあるでしょう。 一方で企業に届いた手紙は、とりあえず内容を確認するため開封される傾向があります。その段階で上手くアピールできなければ処分されてしまいますが、興味を惹く内容であれば担当者に繋いでもらえるでしょう。

②非対面でも関係づくりができる

同じテキストを使ったコミュニケーション方法である電子メールに比べて、手紙は準備に手間がかかる分、誠意が伝わりやすいという特徴があります。 特に大切にしたい相手には、宛名や本文を手書きしたり便箋や封筒のデザインに気を配ったりと、関係を築くためにできることがあるはずです。 非対面営業のスタイルが見直されている現在において、他の営業マンと差別化をする意味でも手紙が活躍するでしょう。

③決裁者の目に留まる可能性がある

手紙は基本的に本人に届き開封されるという特徴から、決裁者宛てに手紙を出すことで、ターゲット本人に直接アピールできる可能性があるのが大きなメリットです。 一方で、見込み客相手に商談のアポイントを取るテレアポは、主に企業の代表電話につながるため、多くのケースでは担当部署や決裁者と話す前に電話を切られてしまうでしょう。 商談を進める際にも、決裁者の意見が重要な意思決定の要素になります。キーパーソンに接触できる方法として、手紙は見逃せないでしょう。

④商品やサービスを分かりやすく伝えられる

テレアポと比べると、手紙での新規営業は相手に商材のイメージを伝えやすいという利点があります。 特に、サービスに形がなく言葉では説明が難しい場合でも、手紙であれば文章や図解を使って分かりやすく相手に伝える工夫が凝らせるでしょう。 成約に繋げるには具体的なイメージを持ってもらうことが欠かせません。その第一歩として、手紙での商材説明が有効です。

 

ここからは、実際の営業活動に活用できる手紙例文をご紹介します。手紙の活躍が考えられる次の4つのシーンでの例文を是非チェックしてみてください。

  • 面識がない相手への手紙例文
  • 面識がある相手への手紙例文
  • アフターフォロー目的の手紙例文
  • 営業を断られた相手への手紙例文

それぞれの場面に合わせた文章作成のポイントもご紹介しています。

面識がない相手への手紙例文

これまで全く面識のない相手向けの手紙は、初めての接触点となるため、特にマナーに気を付けて手紙を準備しましょう。 【ポイント】

  • マナーを守る
  • 分かりやすい自己、自社紹介を行う
  • あまり押しを強くしない

相手に良い第一印象を持ってもらえなければ、先の商談につなげるのは難しくなります。

【例文】 〇〇株式会社 〇〇部〇〇様 拝啓 (時候の挨拶)貴社ますますご清栄のことと心からお喜び申し上げます。 面識もございませんのに、このように突然のお手紙でのご挨拶をお許しください。 私は株式会社〇〇、〇〇課所属の(営業マンフルネーム)と申します。 弊社は、日本全国170万社以上の企業情報を掲載したプラットフォームを運営しております。 Webサイト上で貴社のビジネスモデルを拝見し、弊社の持っている独自の情報網を駆使して、業績向上に貢献できるのではと思いご連絡をさせて頂きました。 もしご興味がおありでしたら、是非とも一度詳しい紹介をさせて頂きたく存じます。 ご多忙の中恐縮ですが、何卒ご検討のほどよろしくお願い申しあげます。 敬具

面識がある相手への手紙例文

以前に名刺交換をしたり、展示場で挨拶をしたりお互いに面識がある場合は、アプローチするタイミングも重要です。 初対面の際に少しサービスについて説明していれば、検討する時間を置いてから適切なタイミングで手紙を送れば、相手に再度思い出してもらうきっかけになります。 【ポイント】

  • 送るタイミングを見計らう
  • 検討状況や抱えている問題の現状を伺う

 

【例文】 〇〇株式会社 〇〇部〇〇様 拝啓 (時候の挨拶)貴社ますますご清栄のことと心からお喜び申し上げます。 突然のお手紙でのご挨拶をお許しください。 前回の展示会でご挨拶をさせて頂いてから、ご無沙汰しております。 弊社の企業情報プラットフォームに関して、簡単にご紹介させていただきましたが、ご検討状況はいかがでしょうか。 現在、登録企業の数も増加しており、他の類似サービスでは得ることが難しい詳細な情報も網羅できるようになりました。 より御社のお力になれると考えておりますので、もしご興味を持っていただけましたら、お気軽に問い合わせをいただけると幸いです。 お忙しいところ恐縮ですが、何卒ご検討をお願いします。 敬具

アフターフォロー目的の手紙例文

訪問営業や商談に応じてくれた見込み客に対して、アフターフォローとして手紙を送る場合は、時間を作ってくれた感謝を込めつつ次のステップへ促します。 【ポイント】

  • 商談に応じてくれた感謝を伝える
  • 検討状況を確認する
  • 次への提案につなげる

 

【例文】 〇〇株式会社 〇〇部〇〇様 拝啓 (時候の挨拶)貴社ますますご清栄のことと心からお喜び申し上げます。 先日商品のご紹介をさせていただきました、株式会社〇〇、〇〇課所属の(営業マンフルネーム)と申します。 お忙しい中、貴重なお時間を頂き誠にありがとうございました。 貴社の顧客を何よりも大切にする姿勢には、私共も学ぶべき点が多かったです。 お話を聞く中で、弊社の運営する企業情報プラットフォームは、貴社の抱えている問題の解決策になると改めて確信いたしました。 関連部署の方々ともご相談いただき、前向きに検討いただければ幸いです。 もしご不明な点等ございましたら、お気軽にお問い合わせください。 またお話をさせていただく機会がございましたら大変光栄に思います。 何卒宜しくお願い致します。 敬具

営業を断られた相手への手紙例文

提案を断られてしまった場合は、しつこいフォローを入れてしまうと相手をより警戒させてしまう可能性があります。 相手の負担になりにくい手紙という形で、話を聞いてくれたお礼と、今後も機会があれば一緒にお仕事をしたいとの意向を示しましょう。 【ポイント】

  • 相手に圧迫感を与えない
  • お礼をしっかりと伝える
  • 今後も関係性を続けたいと伝える

 

【例文】 〇〇株式会社 〇〇部〇〇様 拝啓 (時候の挨拶)貴社ますますご清栄のことと心からお喜び申し上げます。 株式会社〇〇、〇〇課所属の(営業マンフルネーム)でございます。 先日は弊社の提案に対してご検討いただき誠にありがとうございました。 お忙しい中、お時間を作って丁寧に対応していただいたこと、深謝申し上げます 今回は、貴社のご希望に添うことができませんでしたが、営業関連のサービスをお探しの場合はお気軽にお申し付けください。 末筆ながら、(相手の名前)様のご健勝と貴社ますますのご隆盛を、心よりお祈り申し上げます。 敬具

新規営業に手紙を用いる際の注意点

新規顧客の開拓に手紙を活用するのは有効な手段ですが、次にご紹介する3つの点に注意して準備を進めましょう。

  • 機械的な文章にしない
  • ターゲットを定める
  • ハガキと手紙を使い分ける

各ポイントについての知識を付ければ、より効果を挙げられるはずです。

機械的な文章にしない

温かみを感じてもらえる手紙に仕上げるためには、手紙を送る相手ならではのオリジナリティのある内容にするのがポイントです。 もちろん、テンプレートがあれば、手紙を準備する時間を短縮し多くの見込み客に届けることができます。 しかし、あまりにも機械的な文章になってしまうと、受け取った相手も特に興味を持つことなく処分してしまうかもしれません。 誠意が伝わりやすい手紙だからこそ、相手を思い浮かべながら文章を作り上げる必要があるでしょう。

ターゲットを定める

手紙を新規開拓営業に利用するメリットとして、契約の際の重要人物であろう人物に直接アプローチができる点をご紹介しました。 手紙を準備する前の段階で、相手企業の決裁権を持つキーパーソンを見極める必要があります。ここでターゲットを見誤ると開封率が下がってしまうので気を付けます。 また、封筒に「重要」と記載したり、手紙が届いたタイミングで相手に電話を入れたりすれば、内容を確認してもらえる確率が上がるでしょう。

相手に合わせてハガキと手紙を使い分ける

手紙で新規営業アプローチを掛けようとする場合に、ハガキとの使い分けを意識して行うのも手です。 例えば、面識のある相手宛てに暑中見舞いや年賀状の形でハガキを送れば、封筒を開けずとも内容が確認できるため、直接的にアピールができるでしょう。 ただし、全くの初見でハガキを使ってしまうと、少しマナーの認識が薄い営業マンだと思われてしまう可能性があります。 相手との関係性や提案の内容に合わせて、ハガキと手紙を使い分けるとよいでしょう。 詳しい新規営業のコツをまとめた記事も新規営業用の手紙作成時の参考になるはずです。