日本郵便は郵便料金を10月1日から一斉に値上げし、手紙は84円→110円、はがきは64年→85円と郵便局は2024年10月1日に20円以上の値上げに踏み切りました。電子決算や電子メールなどの普及により、郵便の利用の減少が続くなか、値上げは、消費税率の引き上げを除き30年ぶりです。なぜ、今回郵便局が30年ぶりに値上げに踏み切ったのか、その理由を解説いたします。
技術の進化により郵便物の減少と人材不足
手紙やはがきは宅配便などと比べて配送料が安く、利益を出すには一定の取扱量が必要です。しかし、電子決算ツールの普及や、業務効率化の動きにより、郵便を利用する会社が徐々に減っている状況です。その結果、国内郵便は2001年度の262億通をピークに減少傾向が続いています。2022年度は144億通で、ピークと比べて45%の減少となっています。
値上げ幅と10月1日以降の料金について
定形郵便物(50gまで) 110円
通常はがき 85円
定形外郵便物(規格内)
・50g以内 140円
・100g以内 180円
レターパックプラス 600円
レターパックライト 430円
速達(250g以内) 300円
特定記録郵便 210円
となります。
なぜ値上げを行なったのか?
3000億円超の赤字
値上げの方針案にあたって総務省は、郵便事業の収支の試算を公表。日本郵便が行う郵便事業の営業損益は、2022年度は、211億円の赤字となり、2007年の民営化以降で初めて赤字となりました。
さらに2023年度は919億円の赤字となる見通し。
総務省が示した試算によりますと、今回、値上げを行わなかった場合、郵便事業の営業損益は、2028年度には3439億円の赤字になるとしています。
一方で、値上げを行った場合でも、2025年度には67億円の黒字になるものの、2026年度には再び400億円の赤字に転じ、2028年度には赤字額は1232億円に拡大すると試算しています。
以上の理由により、郵便局は30年ぶりの値上げに踏み切る決断をしました。弊社は手紙を活用したビジネスを行なっているため、今後の動向に注目していきます。